A04-宝器七種・真 啓翁桜

宝器七種 真
花材 啓翁桜

二階座敷の壁側(床の間の向かい)に、舞台を作って飾られました。

垂撥に獅子口  師が口を開いて弟子に法を説く姿を表すものだそうです。

寸渡  寸は、数。渡は、度・計・測・定。つまり、自然の数を計り定めるということから、宇宙の本体、地水火風空の五大を表すそうです。

鮟鱇  花器口の大きいのは、大海を表し、全てを呑み込む、度量の広い心を養う修行道を表すそうです。

手杵  天地を表す器の上下は等しく、陰陽等分、和合の意味を表すそうです。

二柱  天つ神の陰陽二神(伊弉諾尊と伊弉冉尊)を表すそうです。

橋杭  法の橋。いまだ縁無き人を導き渡すことをしめすそうです。

垂撥に二重獅子口  法を知り、道を得て、人を導く報恩を表すそうです。

花会は、晴天に恵まれ、2月でしたが、暖かな日よりでした。

中西先生のコメント

二階に設営した特設舞台の宝器真七種
前回の花会が終了した瞬間、この場所に七種を飾りたいと思いました。
二人の大工さんが一日がかりで美しい舞台を作ってくださいました。
YouTubeで拝見できます。

右が巻頭、左が巻軸。
それぞれの竹器に意味があり、師から弟子に法を説き、基礎を学び、心を養い、自分のものにし、神を敬い、縁なき人を導き、さらに人を導く道をいけばなで表現しています。

この花会を集大成にしたいと思っていましたので、今まで受けた華道の全ての教えへの感謝と、社中からさらに教えが伝わっていってほしい願いがありました。

宝器・真七種
啓翁桜

挿花は、最初に教えたもう一人の従姉妹です。その時は高校生でした。今は教室で生徒さんを育てています。誰の手も借りず一人で立派に生けあげてくれました。

嵯峨御流・中西千里甫社中・第十回花会
ひらかた京町家・母屋二階座敷


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