再生改修工事前後の比較

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 ひらかた京町家となった実家の建物を再生改修するにあたっては、色々な迷いや不安がありました。その一つが、この古く痛んだ家が、どれ程直るものなのだろうかという疑いと、改修した後の家は、今と後の世代の感覚で使える家になるのだろうかという心配でした。
 ひらかた京町家は、現在地に移築後110年経っています。今回の改修工事で、あと100年保つそうです。ということは、私自身がそうであるように、この後、孫・ひ孫の代に残るということです。そんな未来にも使って貰える建物になるのだろうか? いくら古くても、歴史的建造物ではないので、使えなければ残されても迷惑なだけです。
 改修工事をする前に、改修された古民家を見学出来ないものだろうかと強く思いました。当時の私と同じように、今、古民家を改修して残すのか、それとも壊して新しい家に建て替えるのか、迷っておられる方もおられると思います。実物を体感していただくのとは、雲泥の差はありますが、改修前後の写真を比較することで、どう変わるのか少しでも実感できればと思い、このスライドを公開することにいたしました。
 元々このスライドは、この家で生まれ育った親族に見てもらうために作りました。高齢のため、もはやこの家まで見に来ることが、かなわないためです。そのため、取り急ぎ作ったところがあって、写真の構図や写りなど、また余計なものが色々写り込んでいるので、公開するには恥ずかしい部分もありますが、竣工当時の様子を伝えるものなので、若干手をいれて公開用としました。(ちなみに、まともな写真は、改修工事をして頂いた、ツキデ工務店社長さん(当時)が撮影されたものです)
 母屋の改修工事を始める直前の2016年2月頃に撮影した写真と、母屋改修工事が終わった直後の2016年12月から翌年1月頃に撮影した写真を元に作成しています。母屋竣工後も、引き続き周囲の建物と庭・アプローチの改修工事が続きました。そのため建物周囲や庭などの状態は、現状とはだいぶ異なります。
 今や残り少なくなった日本の伝統文化・生活習慣を伝える古民家が、一軒でも多く、将来に残ることを祈念しつつ…



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